ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。
ケアマネジャーは何歳まで働ける?定年や転職の年齢制限について
介護に関する仕事は様々なものがあり、現場の介護職員はもちろんのこと、生活相談員やケアマネジャーも重要な業務を担っています。
しかし、現場で働くことは腰を痛めたり体力的に衰えてきたりして難しくなることもあります。
実際に体力的な衰えが原因で介護の仕事を離れたという方も珍しくありません。その一方で、体の痛みと戦いながら、介護の仕事を続けている方も多いことでしょう。
では、ケアマネジャーはどうなのでしょうか?事務作業がメインになるため、現場の介護職員と比べて体力的負担は少ないはず。介護業界でも長く働けそうな気がしますよ。
そこで今回は、ケアマネジャーは何歳まで働けるのか?また、定年や転職時の年齢制限はあるのか?について詳しくまとめていこうと思います。
目次
年齢制限はない!ケアマネジャーは若さより経験重視!
介護業界を全体的に見てみるとケアマネジャーの年齢層はかなり高めです。
介護支援専門員の資格試験の受験資格が実務経験5年以上という理由や、資格を取得しても取得後の研修に時間がかかるといった要因が大きいでしょう。
一方で、ケアマネジャーは介護を必要としている方に寄り添い、日常生活を快適に送れるように支援する仕事です。20代や30代の若い世代には介護業務の経験も浅く、人生経験という観点でも中高年代には劣ります。
また、利用者様としても、若い年代のケアマネジャーより、中高年、いうなれば自分の息子娘ほどの年代の方が信頼できる、自分のケアプラン作成を安心して任せることができる、という観点もあるでしょう。
もちろん、若いケアマネジャーでも素晴らしい方はたくさんいます。しかし、最初の顔合わせ、ファーストコンタクトとしては、ある程度年齢が高い方が安心する、また、介護経験や人生経験が豊富なケアマネジャーに担当してもらいたい、「この人なら任せても大丈夫!」と思えるようなケアマネジャーを希望する方が多い印象です。
ケアマネジャーは若さよりも経験が重視されます。ですので、就職や転職での年齢制限は基本的にありません。どういった実務経験があるのか?どのようにして利用者様に寄り添えるのかが重要になってきます。
ケアマネジャーに定年はない!元気なら80代でも現役バリバリ
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を取得すれば、何歳になっても介護業界で働くことができると言われていることはご存知でしょうか。
介護業界への就職や転職では、訪問介護や施設の介護職員として働く方がほとんどですが、たいていの場合、中高年になると腰を痛めて介護の仕事を辞めてしまう人が結構います。
それもそのはず、自分と同じような体格の高齢者を抱きかかえたりすることが多い仕事ですので、毎日が筋トレのような感覚です。アスリートのような仕事ですよね。
一方のケアマネジャーの仕事は、月に1度は必ず担当している利用者様の家を訪れることが義務付けられていますが、業務のほとんどは書類の作成やご家族や事業所との連絡業務、つまりデスクワークが主になります。デスクワークが主な業務であれば、年齢が高くても腰に不調があってもさほど苦ではありません。
厚生労働省による「介護支援専門員実態調査結果」によると、ケアマネジャーとして働く方の年代は、40代が40.9%、30代が26.7%、50代が26.1%と30~50代で93.7%を占めている一方、60代が2.9%、70代が0.4%と高齢者世代も働いています。
体力的に介護の現場で働くことはできないけれど、ケアマネジャーとしてならとバリバリ働いている60代や70代は大勢います。なかには80代でも現役で働いている強者もいますよ。
自分の足で歩くことができ、細かい事務作業が苦手じゃない、さらにパソコンが使えるのならばケアマネジャーに定年なんて概念はないも同然です。
中高年のケアマネジャーが就職や転職でアピールすべきポイント
50~60代のケアマネジャーの方のなかには「この先も働き続けられるか?」「ほかの業種に転職すべきか?」「そもそも年齢が理由で採用されないかも」と不安に思っている方も多いかと思います。
大丈夫です。ケアマネジャーとして働き続けましょう。年齢が高いからと弱気になることはありません。ケアマネジャーはデスクワークがメイン、コミュニケーション能力が求められる仕事なので、若い世代にはない豊富な経験をアピールすれば問題ありません。
体力面以外で若者に勝る経験値
体力面では20代、30代の若者に勝てませんが、体力面以外であれば若者に勝ることも多いはず。今まで介護の現場で働き、高齢者の実情を直接見てきたという経験値です。
介護記録を書いてきたことで高齢者が実際にどのようなことに不自由しているのかが分かる。高齢者がどういったサービスを求めているのかが分かる。どういった提案をすれば高齢者が納得して満足いただけるかが分かる。
これまでの経験で「このままだとどうなってしまうのか?」が予測できますし、どのように支援していけば防ぐことが出来るかも的確に判断することができます。
培ってきた経験は、ケアマネジャーの業務にとって若者の体力以上の価値があります。
パソコンが使えること
ケアマネジャーの業務はケアプランを作成し各事業所に送付することなのですが、この書類はパソコンで作成するためパソコンを扱えることが必須条件になります。
パソコン操作に関しては、中高年はパソコンを扱うことが難しいという世間的なイメージが強く、若い世代の方が優位に感じられます。そこで、しっかりと「パソコンが使える」とアピールしておくことが大事。
パソコンで書類が作成できなければケアマネジャーの業務を行うことができません。もしパソコンが苦手という場合は、今すぐ克服しましょう。好き嫌いという感情は置いておいて、1週間も触っていればある程度慣れてくるでしょう。
過去の体験談
強くアピールするべきことは過去の体験談です。介護が必要になった高齢者のケアプランを作成するにあたって、自分自身が直に関わってきた体験談は役に立ちます。
高齢者が日常生活を送るにあたって「何に困っているのか?」「それに対してどのようは介護や支援が必要になるのか?」という課題には経験が求められます。
これまで高齢者の支援に関わってきて「高齢者の状態を見極め、自分から支援方法を提案し改善した」という体験談があれば必ずアピールしてください。
ケアプランを作成する際には、ケアマネジャー自身がどのような支援をしていくのか判断しなければなりませんので、培ってきた経験や実際に体験したことは面接時の強みになります。
地域のことを理解している
ケアマネジャーとして転職するときには、知らない地域よりも住み慣れた地元で働くことをおすすめします。
ただ単に年齢を重ねてきたわけじゃないはず。その地域に住んで、普段の買い物、通院、行政手続きなど、その地域についてある程度理解しているということも、ケアマネジャーでは強みになります。
自分がずっと暮らしてきた地元であれば、地域の特性も理解しているはず。地図に関しても、利用者様の家を訪問する際に道に迷うこともないでしょう。
日本国内でも高齢者が抱えている問題が地域ごとに異なります。地域の特性を理解していることはケアプラン作成にあたってきっと役立つはず。これは採用する側も理解しています。
ケアマネジャーは介護を必要とした高齢者のケアプランを作成し、生活を支えていくことが重要な役割です。その地域のことをあまり知らない若い世代にはなかなかできることではありません。自分自身が培ってきた人生経験も生かせる仕事がケアマネジャーです。
ケアマネジャーなら年をとっても長く働ける
いかがでしたか?体力勝負の介護職員に比べて、事務作業がメインのケアマネジャーは体力的な負担は少ないはず(精神的な負担は別の話しですが…)
ですので、自分の足で歩けるなら年をとっても長く働くことができる職業がケアマネジャーです。介護の仕事に誇りを持っており、できるだけ長く介護業界で働いていたい方は、この機会に介護支援専門員の資格を取得しケアマネジャーを目指してみるのはいかがでしょうか?